loprabbitのブログ

米国株投資その他について徒然なるままに

投資商品の定性的な傾向を考えてみた

色々な投資商品・対象があふれているので、過度にリスクを負担しない形態で投資できる投資対象について考えてみました。基本的には、フェアー、オープン(市場の公開、情報公開)、安定性(持続可能)が大切だと考えます。



1 エージェンシー問題
主要関係者の利害が対立することから生じる問題です。以下に例を挙げてみます。


①報酬体系について
企業経営者・従業員に対する業績連動型の報酬は、リスクの高い取引への選好をもたらす。
セールスマンの場合、顧客との関係性が反復継続的な場合は、強引な販売、不良品の販売は動機付けになりにくい。しかし、継続的な取引が考えにくい場合、不良在庫を優先的に販売する動機付けが強く働く(手数料・報酬も不良在庫の方が高いだろう)。
報酬体系が長期的な関係に依拠する部分が大きくなる方が、また、商品が反復継続的な取扱を想定している方が、利己的商品・利己的関係者を削減するだろう。


②資産管理運営型のビジネス
他社への乗り換えが難しければ、管理コストの高値安定(+高値であることが容易に理解できないスキーム構築)をもたらす。
そのため、例えば浜辺や山林にある太陽光発電の持分一部売却のような商品は、管理コストを高く維持する方向に作用する。
不動産だと、不便な町のワンルームマンションの管理コストと都市部にある数十室の賃貸マンション全部の維持管理コストは、前者の方が明らかに高いだろう。
これは投資信託の信託報酬、ヘッジファンドの報酬にも関連する。一般的な上場株式への運用ファンドに高い報酬を支払うよりは、インデックス運用がベター(合理的期待値として)だろう。個別株運用も、10や20銘柄ならともかく、50や100銘柄であれば、その大半はインデックス運用に切り替える方が適切だろう。
なお、特殊な業界へのアクティブファンド、一般人では投資困難な商品へ投資するヘッジファンド、積極的な株主権行使+大量投資や第三者割当の引受を行うファンド、等はインデックス運用や限定銘柄での運用では代替できないため、考慮する価値がある。


③投資資産の取得・処分に必要となる手数料・報酬
業者は高値安定を図るか(事業者団体のギルド制度)、非開示としたがる。
日本でも、少し前まで販売手数料が3%と高額の投資信託や保険商品を購入させ、1年や2年で乗り換えさせる勧誘が行われていたが、金融庁の強い指導で壊滅した。
国内不動産だと仲介手数料負担が往復6%かかる。高額手数料の投資信託の約2倍である。節税効果を考慮しなければ、不動産投資したい人の多くは、上場REITがベストの選択だろう。時間の余裕が有り、居住する地区近辺にマンション等を集中投資したいという理由(特に経済的理由以外の理由)が強い人や、不動産事業を事業として行いたい人は別である(公社の場合、宅建業資格を取得して会社を経営することが適当と思うが)。
色々な投資商品を販売している会社のうち、販売手数料を開示しているのはどれくらいなのだろうか。


④資金を運用(会社だと経営)する人について
失うものが少ない人物・会社を信用することは、リスク増加の蓋然性が高い。逆に言えば、個人的に信頼関係があるとか、経歴が一般的に信頼できそうという事情がなければ、リスク見見合いでリターンに対する合理的期待値を上げることが適当である。



2 取引の流動性・容易性
市場が閉鎖的で流動性が低い=イン・アウトがタイムリーにできないと、高値購入、安値売却になりやすい。仲介手数料も高額に維持されやすい。
未上場会社の株式、複雑な仕組みでマーケット化されていない金融商品、太陽光発電事業の小口化商品については、大手企業・一流企業がバックアップしていない限り、流動性リスクが高い。



3 情報の非対称性
情報の非対称性は、売手と買手で、商品の評価分析に大きな差が生まれやすいため、価格評価のズレが気付かれにくい。典型的なのは、リーマンショックの大きな要因になったデリバティブです。複雑な金融商品の組み合わせにより、リスク・リワードを言葉で十分説明しつつ、価値的な評価は闇の中に埋めることに成功しました。これらの商品は、組成して販売すると、巨額の利益が評価されました。例えば、チームで100億の金融商品を販売すると、10億の利益が計上され、その1割がボーナスとして支給されれば、モラルハザードは避けられません。



4 制度的安定性
その商品が大きく変動することのない条件で取引される蓋然性の高さは重要です。その一つが、政治的安定性。さらには当該商品に適用される法規制(+国際的な規制状況)。
私有財産制度や法的安定性も重要だと考えています。ガス・オイル会社が強制的に国有化される国や、一部の企業が独占権を認められている国の企業・株式に投資することは、博打に近いという感覚です。政治の腐敗指数は第三者機関により調査・公表されているが、腐敗の進んだ国では、賄賂・汚職が日常風景です。日本だと逮捕されるレベルが常識になってます。腐敗指数の酷い国は投資対象外になります。ソマリア、北朝鮮の167位が最低。せめて上位4分の1には入っていないと投資はリスキーすぎます。韓国、マルタ、コスタリカあたりがボーダーかな。
発展途上国の企業の成功原因は、権力者との癒着の強さが一番で、特権的地位で競争相手を排除して独占できれば、その国の中では大企業になれる。近年では、製造業の場合、為替管理のもとで輸出も難しくない。
当該商品に適用される法規制については、新商品については安定段階に至るまでは投資対象外だと考えています。典型的なものが、仮想通貨。数年後にどうなるか、多少の蓋然性を持ってイメージできないものに投資することは、僕には博打と同列です。


今はこんな感じ投資対象を選定しています。結果、米国株は、メジャーハイテク株(GOOG、FB、AMZN)、防衛産業(LMT、RTN)、金融(GS)、インデックス(S&P、中小型株、金融、ヘルスケア)とありきたりの内容になってます。